長い間タンスに眠ったままの着物や親族や知人から譲り受けたけれど自分では着ない着物はの処分には、着物専門の買取業者に買い取りを依頼するのがおすすめです。
しかし買い取りを考える人の中には「査定員はどんな点をポイントに買取額を決めているのだろう?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、査定員が着物を買い取りする際にチェックしている6つのポイントについて詳しく紹介していきます。
査定ポイント1:着物の状態が良いかどうか
買い取り希望の着物にシミや汚れ、カビやほつれがないかどうかは、着物の買取額を左右する大切なチェック項目です。
全体的にきれいな状態の着物の場合には、着物の品質に見合った適正価格が付けられます。しかし、シミや汚れなどの問題がある場合には買取額はグンと下がってしまうので注意が必要です。
査定ポイント2:素材は正絹か
着物の素材も査定時の重要なポイントになります。
素材によって買取額に差が出てくるからです。
着物は、絹100%の正絹の着物の他、綿、ウール、化学繊維のポリエステルなど様々な素材でできています。
その中でも上品な光沢感があり、着崩れもしにくい正絹の着物は買取額も高額です。
反対にポリエステルなどの化学繊維はもともと安価で購入できるため、中古の需要はほとんどありません。
時には始めから買取対象ではない場合も多々あります。
査定ポイント3:着物のサイズ
査定時には、着物のサイズのチェックも行います。
サイズの大きな着物は、小柄な人からふくよかな人まで多くの人が着用することができます。
更に、着用する人の体のサイズに合わせて自由に仕立て直しをすることも可能なので、需要が高く高値で売ることができます。
大きいサイズの目安は、身丈(背中心から裾までの長さ)が160cm以上の着物です。
一方、サイズの小さい着物は着用できる人が小柄な人のみに限られるため、買取額は低くなってしまいます。
査定ポイント4:着物の種類も確認
着物の種類も買取額を決める大切な判断材料になります。
着物は黒留袖や振袖、訪問着などの格の高い着物から、小紋や浴衣などの格の低い着物までさまざまな種類があります。
その中でも、着用頻度の高い振袖や訪問着は需要が高いため、買取額も比較的高額です。
反対に着用頻度の低い黒留袖や、比較的安価で購入することのできる小紋や浴衣などは買取額も低くなってしまいます。
査定ポイント5:作家物、有名産地の着物かどうか
人間国宝や有名作家が手掛けた着物かどうかも大切なチェック項目です。
有名作家の着物には、着物の衿先裏や衽(おくみ)裏に落款(らっかん)と呼ばれる作者の印のようなものがあり、査定員はこの落款の有無で買取額を判断します。
また、京友禅、加賀友禅、東京友禅などの三大友禅や、大島紬、結城紬、牛首紬などの有名産地で作られたもの、また国の伝統的工芸品に指定されている着物は価値が高く、買取額も高くなります。
査定ポイント6:証紙があるかどうか
証紙の有無も査定員が買取額を決める大切な判断材料になります。
有名産地で作られた着物や、国の伝統的工芸品に指定されている着物には購入時必ず「証紙(しょうし)」が付けられています。
証紙とは、着物の品質が確かであることを証明する保証書のようなもので、証紙付きの着物は買取額も高くなります。
どれだけ価値の高い着物でも査定時に証紙がなければ、買取額は不安定になってしまいます。
まとめ
買取時どのような点をポイントにチェックしているのかを事前に知っておくことは、買い取りを希望する着物が高く売れるかどうかの判断材料にもなります。
査定時のチェック項目をなるべく良い条件で満たし、大切な着物を一円でも高く売りましょう。